公益通報先と特徴

公益通報を行う場合の通報先は

1.労務提供先(勤務先)があらかじめ定めた者(窓口など−社内規定などにより、通報先を定める,いわゆる内部部通報

2.通報対象事実に対して処分、勧告などの権限を有する行政機関、行政通報 

3.一定の要件(条件)を満たした場合に許される事業者外部に対する通報 事業者外部通報(外部通報)報道機関など、いわゆ
  るマスコミ、組合、消費者団体などです。

通報先に関しては通報する場合の要件が異なり、内部通報では通報事実が生じまたは思料(思う事だだけで可能となり、行政通報に関しては更に信じるに足りる相当な理由(実際的には証拠)更に外部通報では簡単に記載しますと、上記に加えて、不利益な扱いを受ける可能性がある。隠蔽されそうだ。公益通報を止められた。書面により内部通報したが20日間調査しない、生命身体の危険性の要件に該当するなど、実際的に、外部通報は厳しいハードルとなります。

 公益通報する場合は必ず、消費者庁からダウンロードし得る、公益通報ハンドブックを読んでください。

 私は、公益通報の環境の項目解説で、労務提供先内部に公益通報先が規定されていても安心せず、実質的に機能しているか、その構成委員が第三者的、かつ中立、公正に機能するか正確に判断する必要があると記載しました。

 
労務提供先、勤務先に行う公益通報(内部通報)

確かに内部通報(この用語は法律中にはありません)は、通報事実に対する思料で足りる。しかも職場上司は労務提供先に該当します。しかしよく考えてください。私のように、組織的に公益通報妨害され、不利益処分さえ行われる。まして医療不祥事を大病院が隠蔽していたのです。ここまで酷い事案ははまれでしょうが、

 内部通報の場合に、内部通報した公益通報者が悟られてしまうと、実質的に痛い目に遭う事が多いのです。確かに不利益禁止の規定はあります、しかし、
罰則規定がない。
公益通報の窓口、機関によほどの独立性、中立性がない限り、公益通報者は知らぬまま、実質上の不利益を被る。(事実上、労務提供先は公益通報、公益通報者を社会正義としては認識しない事が多いのです。むしろ、めんどくさい....などと考える場合が多い。)私に対する相談の多くが内部通報し、確かに不利益処分等は無いが居づらい。そうなってしまうのです。公益通報は勤務先にとって命取りになりかねない。上司、同僚にしても、今まで親身に相談に答えていた人が、通報という事実上の行為を行ったとたん。関わり合いを避けたり、反対に批判に転じたり、会社側の手先になったり....。このような人が必ず出てくるもの。まして、労務提供先先の会社などが、同族経営であったり、起業、機関のトップが独裁的であったり、その場合は悲惨です。狡猾に嫌がらせが行われる。私はまさにこの典型で、事実、類似する事例の相談が多い。

 公益通報ハンドブック、22Pに・・・「進捗状況を事業者に問いあわせる....と記載されております????????冗談じゃありません。これは、公益通報の実際を知らない行政です。
  
                      公益通報は場合によっては匿名で行う。
        公益通報は匿名であっても、公益通報者保護法の要件を満たした場合は、公益通報に該当します。

本来、公益通報は、通報者本人が特定される必要性があります。公益通報に対して報告がなされるからです。公益通報者は調査の重要な対象者でもあるからです。
 しかし、現行法上、経験上、社会の実情から、事前の判断で、実質的にも不利益処分がなされないことが確実な場合、かつ勤務先において居心地が悪くなるといった状況が回避されるなど、相当の確信がない限り、実名の労務提供先に対する内部公益通報は行わない方が良いという経験上の結論に達します。
 また、通報事実を思料するだけで通報し得るとは実に甘い考えです。公益通報の機会、範囲を内部通報の場合に広く門戸を開ける為、より早期に通報対象事実が改善されることを期待して、要件を緩和したのです。すなわち内部通報の場合には行政などの介在がない。(取り返しのつかない事態は起きない)従って思料の段階でも公益通報を広く認めた方が、公益保護の趣旨に合致する。そこで、公益通報対象事実に対して、思料(思っただけでも良い)するだけで良いとしたのです。しかし、社会的には実際、曖昧な思料では、労務提供先の公益通報に対する認識、事案などにより異なると考えますが、有効な動きを行うか疑問であり、公益通報者の経験、視点、事例では思料するという段階での曖昧な内部公益通報はなるべく行わない方がよいと考えます。
 なるべく証拠価値の高い証拠を有し、その代わり匿名で名いう公益通報する。現行制度上、そして経験上そうすることが、得策と考えます。

 
                 当然、緊急性がある、社会的影響が甚大などの場合は、除きますが....。


行政に対する通報

 行政通報においては、通報要件に、信じるに足りる正当な理由が必要とされます。証拠と考えれば良いでしょう。行政が動くには、それなりの証拠が。というニュアンスで考えて頂いても構わないと考えます。
 では行政は公益通報に対して適正に動いてくれるのか、私の場合は、ノーでした。公益通報情報の漏洩、たらい回し、信じがたい行為です。だからこそ、週刊東洋経済、週刊現代はこの事実を特集で大きく取り上げました。しかも、2011年2月18日の日弁連、公益通報者保護法の見直しに関する意見書では同じ厚労省(行政)が公益通報事案を棚上げしたこと、やはり過去にも情報漏洩したことが記載されており、行政たる厚労省の公益通報に対する非違行為が、存在したことを裏付けております。今回の事例では、私の公益通報妨害をした病院トップ以下、3人の病院幹部に対し、異例の職員異動が行われる始末。週刊誌に公益通報妨害、情報漏洩が大きく報じられた直後の事でした。職員を異動させ、調査をしにくくする。極めて悪質と考えます。(公益通報妨害の解説に詳細を記載します。)
 私の経験では、行政の公益通報に対する悪質さが際立ったとはいえ、これは厚労省と勤務先の病院が人事交流等により、非常に強固なつながりがある場合であり、特別な背景があったから生じた事案であると考えます。
 大切なことは、公益通報の実質的な公益通報先は、行政であることです。では公益通報者視点で考えなければならないこと。
1.公益通報する行政機関と、通報者の勤務先が人間関係をはじめとして味つながっていないか
(実際、今お受けしている、病院の重大な医療不祥事隠しは、病院長が保健所長、行政と緊密な関係にあり、以前情報を漏洩され、公益通報をためらっているのです。)

2.公益通報の質

すなわち、証拠が有り、厳密にいえば公益通報に該当しても、行政の動きは事案の与える社会性が低いと程度の差はあれ動かない。極端にいえば、自転車窃盗は完全な窃盗罪を形成するが、警察は軽微事件に対しては決して捜査などしない。比喩的ですが、現実です

3.公益通報が行政の身内的な問題に該当する場合
行政は身内や都合の悪いことに対しては、非常に腰が重く、不作為を重ねる。実はこれこそが最大の問題だと考えます。私の場合はまさにこの典型例です。

  要するに、
 公益通報を行うには、労務勤務先が公益通報諸般に関して独立性、中立性が担保され、確信が持てればいいが、基本的にはターゲットは行政通報に絞るべき。悪質な事案も散見されるが、公務員は基本的に守秘義務を有しており、相当の事がなければ情報を漏洩することはないと考える。しかしながら、行政と労務提供先(勤務先)に特別な事情が存在する場合は、行政を信頼しきれない。従って勤務先と行政との実質的な関係を良く斟酌し、公益通報すべきだと考えます。
                
  

行政通報する場合は、行政自体の公益通報の間口は広く、電話、FAX等でも公益通報は受け入れられますが、体裁の整った文章に確実な証拠をしっかり添付する。このようなことが必要と考えます。

                                   

事業者外部への通報

 
私が行った公益通報です。通報先は報道関係、消費者団体が代表的です。事業者外部に通報(外部通報)するには、外部通報する場合の厳しい要件が科せられます。
 仮に公益通報がいわゆるガセネタであったり、害悪の意思、不正の目的で行われた場合、労務提供先、勤務先が報道などで公知されたら取り返しのつかないことになり、仮に後で事実が判明し、公益通報自体の信憑性が失われたり、不正目的だと判明しても、有効な代替措置は難しい。社会における信用回復なども難しい。
 いわば、公益通報は諸刃の剣なのです。実は公益通報は、公益保護の趣旨のもと、労務提供先のことも十分考慮し立法している。バランスも考慮されているもです。刑法は犯罪に対する諸般を規定していますが、実際上の手続きは刑事訴訟法が規定しています。そして刑事訴訟法の体系はは(加害者、容疑者、被告)人権に十分配慮し構成されている。簡単に言えば罰するという行為と人権保護の両立。公益通報者保護法も同様です。実は、この事業者外部に対する通報には、大きなメリットが2つあります。但し非常に要件が限定されているのが現行法上の問題点です。

1.報道機関の公知力は行政の指導力をはるかに超える。(国民に広く公知される)
2.報道機関を介在させる事により、公益通報元の確実な情報隠匿が可能である。

  
しかし、情けないことですが、経験上、行政の守秘義務より、数倍信用できる。
 
報道関係は裁判で情報元に関する情報提示を命令されても、警察などの機関に情報提示を求められても、憲法(表現の自由)から派生する、取材源の秘匿が最高裁判例上も認めれており、もし、取材源を明かしたなら、それこそ、その報道機関、記者は終わりなのです。
 
従って、わたしは諸般の事情から、確実な証拠があり、外部通報の構成要件に該当するなら(社会性、違法性なども加味した上で)積極的に報道関係者を紹介しております。
 特に、医療不祥事、隠蔽、生命身体に直接関係し、至急性がある場合などは、報道関係を公益通報の主体とすることは良策です。
 報道関係の報道は、公益通報の本来意義に合致することが大半です。しかし、注意しなければならないことが多く、特に報道関係者の特質は十分理解しなければならないと考えます。

                   詳しくは事業者外部に対する公益通報 の解説に記載します。